発表会

ゆめピアノ教室(旧流山音楽教室)では、年に一度、発表会を「サマーコンサート」として開催しています。
サマーコンサートという名前の通り、舞台のあるホールで、生徒さん自身がコンサートを作り上げ、お客様と一緒に音楽を楽しむ場です。
1.演奏者として~完成度の高い演奏を目指す~
普段のレッスンよりも少し “よそいき” の曲を、自分で選びます。
完成度の高い演奏を目指して、暗譜で(楽譜を見ずに)ステージで演奏。
ステージマナーの練習をし、かっこいいお辞儀や素敵な衣装で、お客様にお披露目します。
2.コンサートのお客様として 〜生徒さん同士で励みになる「感想カード」〜
サマーコンサートでは、演奏者としてだけでなく、客席でのマナーも学びます。
どれほど一生懸命に演奏しても、お客様がスマホを見ていたり、寝ていたり、誰も聞いていなかったら、悲しいですよね。
コンサートが身近なものになるよう、他の人の演奏に興味をもち、周囲に配慮しながら「良いお客様」になる練習の場でもあります。
大きな拍手で、演奏者へ気持ちを伝えましょう!
小学校2年生以上の文字がしっかり書ける生徒さんには、「感想カード」をお渡ししています。
演奏ひとつひとつに対して、こんなふうに感想を書いてもらいます:
「はくりょくがすごい!」
「スタッカートが難しそうだったけど、がんばってた!」
「小さいのにお辞儀が立派だった。コナンくんそっくり!」
サマーコンサート終了後、すべての感想カードを集計し、それぞれの演奏者へお渡しします。
同じように日々ピアノをがんばっている生徒さん同士の一言は、とても励みになるようです。
感想を書くためには、集中して演奏を聴く必要があります。
出演者の入れ替わりのわずかな時間に、最高の一言を書こうと、みんな一生懸命です。
3.招待者として 〜「曲分析カード」は日頃のレッスン活動がご家族に見える嬉しい機会〜
コンサートにおいて演奏者は、お客様を招待する側でもあります。
サマーコンサートでは毎年テーマを設けており、それに合わせた曲選びや学習を行います。
- 2019年:「音楽史の家へようこそ」〜4期それぞれの作曲家の曲〜
- 2020〜21年:コロナ禍のため縮小開催
- 2022年:「生きものの世界」〜虫まで拡大バージョン〜
- 2023年:「日本人作曲家」
- 2024年:「世界旅行」(予定)
自分の演奏する曲について調べ、作曲家や曲が作られた背景、裏話まで学びます。
さらに、曲に物語をつけて「どんな演奏をしたいか」を話し合います。
そうして学んだことを生徒さんは招待者として「曲分析カード」まとめ、それは当日ロビーに掲示され、休憩中に多くのお客様にご覧いただきます。
とくに、おじいさま・おばあさまにとって、日頃のレッスン活動が見える嬉しい機会になっています。

作曲者: ドミトリー・カバレフスキー
曲名について: ソナタ形式を小さくしたものが「ソナチネ」
どんな演奏にしたいのかな?:
リスが走っているように軽やかに、テンポを落とさず、かっこよく演奏したい。
ゴールに向かって一気に駆け抜けるような気持ちで弾きたいです。

テーマ:世界旅行
曲名: 火星探検(かせいたんけん)
作曲者: キャロリン・ミラー
音楽教師・作曲家として40年以上活躍。子どもも大人も楽しめる曲が特徴。
物語:
ワクワクしながら火星へ探検に行きました。
着いてみるとひっそりしていましたが、突然火星人の大群が現れ大ピンチ!
急いで脱出して、無事に地球へ帰れるのか…!?
どんな演奏にしたい?:
ワクワク・ドキドキしながら聴いてほしいです。
曲を聴いて「地球に帰れるのか」を想像してほしいです。
アンサンブル~仲間と作り上げる音楽体験を~
ピアノレッスンは、普段は先生と生徒のマンツーマン形式ですが、「アンサンブルを楽しめる人」に育つためには、複数の人たちとの音楽体験が欠かせません。
サマーコンサートでは、さまざまなアンサンブルを行っています。
ピアノ連弾
きょうだいやお友達と2人で、3人で、弾ける音が多くなればなるほど、厚みのある幅広い演奏ができます。
ソロ演奏は自分のテンポ、リズムでしっかり演奏すればよかったけれど、連弾ではそれだけではバラバラの演奏にになってしまいます。
ときにはテンポをゆるめたり、相手の手がポジションにつくまで待ってあげる必要もあります。
本番前の初めての合わせはびっくりするほどバラバラで、聴いているお母さまの顔が引きつってしまったことも。
私も(先生も)内心「これはかなりまずいかもしれない」と焦ったりもします。
でも、レッスンで二人で合わせたり、学童のピアノで二人で練習してくれたり、回数を重ねるとどんどん一つの音楽になっていきます。
2年目、3年目のペアになると、初めからアンサンブルとして、十分に聴ける演奏になってきます。
3人・4人となると、練習中にケンカが起きることもあります。
「今ズレたのは○○の姉ちゃんが速すぎたからでしょ!」
「せっかくうまくいってたのに、どうしていっつもあんたは止まっちゃうわけ?」
「先生が “間違えてもどんどん進む” って言ってたでしょ!」
もう大変です。
▼4人連弾『ありさんのおはなし』
20名による「リレー連弾」
運動会ではバトンタッチしてリレー競技が行われますよね。
「リレー連弾」では鍵盤のポジションどりをして、ワンフレーズずつ弾いては次の人と交代していきます。
鍵盤がバトンの代わりですね。
▼リレー連弾『ちょうちょう』(斎藤守也編曲)
ほかの楽器を交えてのアンサンブル
ピアノ × 鉄琴 × マラカス など
男子の出演者だけで演奏しました。
小学校1年生から5年生まで年齢もピアノ歴もバラバラなメンバーで、恐竜のパレードをにぎやかに演奏しました。
お話し組曲
初めてのサマーコンサートでは、生徒さんもご家族もドキドキ。
「前日寝られませんでした…」という声もある中、少しでも楽しく、安心して舞台を楽しめるように「お話し組曲」を上演します。
スライドや大きいお兄さん、お姉さんによる語り、雷やベルなどの効果音も本格的です。
必ずどこかで、ギラギラのミラーボールが会場を照らすのが毎年のお約束です。盛り上がりますよ。
主役のピアニストは、先生との連弾で物語に沿った曲を演奏。
最後は全員そろってお辞儀し、客席と一体になって感動の瞬間を迎えます。
プロの演奏家を招いてピアノ以外の楽器を学ぶ経験を
発表会(サマーコンサート)は、コンサートについて学ぶ機会です。
演奏者としてピアノ演奏やアンサンブルを行うのはもちろんですが、毎年、演奏家を招いてゲスト演奏を楽しんでいただいています。
ゲストには、普段触れることの少ない他の楽器や、歌のプロの方々をお招きします。
ステージマナーや衣装についても、実際に目にすることで学ぶことができます。
音楽表現について、ピアノ以外の楽器から学べることは非常に多くあります。
逆にゲストの方にとっても、ピアノ学習者や保護者に自分の活動を知ってもらうチャンスでもあります。
これまでに、以下のような演奏をお届けしてきました:
- 金管五重奏
- 弦楽四重奏
- オーボエ独奏
- ホルン独奏
- テノール独唱
- バイオリン二重奏
- テルミン
- ハープ
- マリンバ
- 鍵盤ハーモニカ+ピアノ
それぞれの奏者の方々にご協力いただきました。






「小さなピアニストたちに、さまざまな楽器を知ってほしい」という思いから、演奏だけでなく楽器体験や楽器のレクチャーもしてくださいました。
特に好評だったのは、テルミンの演奏です。奏者は、宇都宮在住の本橋祐美子さんです▼

※テルミンとは
テルミンは、楽器に直接触れずに演奏するという非常に珍しい楽器です。垂直・水平方向に伸びたアンテナの周囲には微弱な電磁場が形成されており、アンテナに手を近づけたり遠ざけたりすることで、音の高さや大きさをコントロールします。まるで奏者が踊ったり泳いだりしているような、不思議な演奏スタイルです。
本橋さんはピアノとのデュオで、「白鳥」などよく知られた曲を演奏してくださいました。また、生徒さんや保護者の方々を舞台に招いて、楽器体験も実施しました。

ピアノに親しみ、耳コピも得意な生徒さんや、音楽好きな保護者の方々も、テルミンの「目に見えない音程操作」に一苦労。
雲をつかむように、みんなで「さくらさくら」の演奏体験を行いました。
この日の楽器体験は時間の都合で3名に限られ、体験できなかった生徒さんたちからは「自分もやりたかった…」という感想が寄せられました。
その声を受けて、テルミン奏者の本橋祐美子さんに、教室での出張レッスン(楽器体験のみ)をお願いしました。
遠方からにもかかわらず、テルミンを持ってお越しくださいました。
参加者は20名にもおよび、今回は2時間近く、全員が満足するまで演奏体験をさせていただきました。