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ピアノの指使いで、ひきやすさは変わる

こんにちは。葛飾区ゆめピアノ教室のいしごうおかです。

きょうは、ピアノ初心者によくありがちな指づかいの軽視についてお話してみたいとおもいます。

いきなり結論めいた話になりますが、ピアノの上達において、初心者がおもっている以上に、指づかいは重要だと私は考えているのです。

指づかいを意識した練習は、とても効率的です。
逆にいえば、楽譜の音符だけに目を奪われ、指使いなんてなんでもいいといったような態度でピアノの練習をつづけることは、非効率なんです。

指使いなんて、すごく細かいことをいわれるようだし、面倒なことをいわれると感じるピアノ初心者も多いかもしれません。

譜面を読んでいくだけでも精一杯で、自分にはそんな余裕はないと。

しかし、それでもあえて指使いに注意を払ってほしい。

楽譜の指づかいに従ってみる

まず最初は、楽譜の指づかいに従ってみると良いと思います。
それは、理にかなったひとつの方法だからです。

まずは楽譜の指示にしたがってみる。
それがどうしても自分にしっくりこないときは、今習っているピアノの先生と相談しながら、自分の弾きやすい指づかいをいっしょに探してもらいます。
先生に相談することで、同時にあなたにとっていちばん合理的な指づかいを発見できるでしょう。

譜読みするとき、指づかいが定まらないまま音を追っかけるより、指づかいと音を連動させて覚えていく方が 音楽の進行に流れが出てきます。

「親指と人差し指の並んだ指で、こういうフレーズの繰り返しだな。」「このフレーズは上方の小指から降りてきて親指で終わる。その次は間髪いれずその親指をくぐらせながら薬指の音へ飛ぶんだったな」といった調子で、フレーズとフレーズをスムースな動作でつなげていけるのです。

ここで、さらに重要なことをつけ加えましょう。

指づかいの「型」を身につける

指づかいの「型」を身につけると、さらにいいことがあります。

指づかいの「型」ができれば、音の粒を揃える練習、手を広げる練習、指くぐりの練習・・・等々、次の技術ステップにスムーズに移行できるのです。

これって、すごく大切じゃありませんか?

言い方をかえれば、「指づかいの型」の習得によって、技術上の弱点が見つけやすくなって、ステップアップを確実にすることができるのです。

では、今までのお話した、自分なりの指づかいを発見すること、そして「型」の重要性について、実例をみてより理解を深めてみましょう。

例:「モーツアルトソナタKV.545 第1楽章から」

■写真01: 全音楽譜出版
■写真02: BREITKOPF(ブライトコプフ)

出典 ピアノ教室.net
写真01は、全音楽譜出版。
写真02は、BREITKOPF(ブライトコプフ)の楽譜です。

同じ曲の同じフレーズでも、違った指づかいのアプローチをしていますね。

一見して、全音の方が単純な運指です。指くくりも少なく分かり易い。

ブライトコプフのほうは、最高音に3の指(強い指)が当てられていたり、黒鍵を使って指くぐりをさせるようになっています。

どちらの指づかい指示も、それなりの意図と根拠があります。
どちらを採用するかは、弾く人の指と相談です。

このフレーズの譜読みの時点で、仮に指づかいを無視して音だけをまず読むとします。
そうすると、とりあえず弾き始め、指が足りなくなったら適当なところで都合することになるでしょう。

これでは、音を覚えてきた段階になっても、指の動きにはムダが多くなっているはずです。

その時々で、指が余ったり、足りなかったり…。

一方、このフレーズを、初めから指づかいにも気をつけて譜読みをするとどうでしょうか。

全音の運指であれば、5の指まで上ったら下行形になるんだなと、指のポジションと音形を連動させて覚えることができます。

つまり、フレーズ全体をひとつの「型」として理解することができるわけです。

言い換えると、指の運動感覚でフレーズをとらえていることにもなります。

さらに良いことには、「このフレーズなら、上行で盛り上げて下行は納まる感じかな」と強弱のニュアンスも自然とついてきますので、次のテクニック習得へのステップアップともなるのです。

こういった指づかいの「型」と「運動性」を意識した練習をし、フレーズにあった自分なりの指の型ができてこれば、そもそも譜読み自体が速くなるというのが、私の実感です。

指づかいで、弾きやすさは変わる!

「適当に その場の感じで・・・」

もし今までそんなふうにおもっていたのであれば、今日からはぜひ指づかいにも注目してみてくださいね。

きっと、譜読みや楽曲習得が早くなり、演奏には良い流れと動きがでてくるに違いありません。

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